こんにちは住宅ライフスタイル事業部の野口です。
いつも住宅の性能についてばかりお伝えしている気がするので、
今日は構造の材料についてお話ししたいと思います。
「カヤノでは全棟構造計算を行っています。」
とお伝えしていますが、その基となる根拠について少しだけ説明します。
そもそも木造建築で構造計算を可能にするためには、
その材料(柱や梁ですね)の強度が明確で無ければ計算できません。
言うなれば、鉄やボルトの強度が分からないのに自動車の安全強度が設計できないの同じなのですが、 何故か木造住宅においてはこの辺の確認がおざなりになっていました。
実際にちょっと前までは森林から伐採してきた木材を、 製材工場で加工したものを現場に納材していたわけですが、 当然これでは一本一本強度にバラつきがあり不安定な状態です。
乾燥状態もまちまちで、いわゆる大工さんの経験と勘頼みだったわけです。
しかし、木造建築は変わりました。
伐採してきた材料はキッチリと管理されるようになりました。
強度や乾燥率も明確に表示出来るまでになりました。
柱や梁などの構造材にはJAS(日本農林規格)で決められた品質が明示されます。
このJASマークにより、ようやく構造計算が出来るようになったのです。
現場で良くみると、このようなシールが貼ってあります。
小学校で社会の時間に習ったJASマークです。
あまり深く語るとマニアックになるので、簡単に説明しますね。
写真のシールを見て頂くとだいたいはお分かり頂けると思いますが、
E105-F300
この記号が一番専門的で分かり辛いです。
E105 → ヤング係数105
ヤング係数とは、変形強さに関係していて、 分かり易く言えば木材の強度に関わる数値だと思ってください。 同じ材種であればヤング係数の数字が高いほど良いということになります。 材種が変わると同じヤング係数でも強さは変わりますので、ここでの数値の比較はあまり意味がありません。
F300 → 曲げ強さ300Kgf/cm2
こちらは文字通りで1cm2あたり300Kgfの曲げに対する強さがあります。この数値は単に大きければ大きいほど強いと言えます。
こういった数値が明確になったことで、
「この材料はこれくらいの力に耐えられる」と鉄やコンクリートと肩を並べて構造計算できるようになったのです。
この結果、木造3階建てや大空間の木造建築が可能になったというわけです。
今回は堅苦しいお話しなのでこれくらいで止めますが、 こういった裏付けがあって初めて安心してお住まい頂ける住宅が出来るというお話しでした。
こういった話をもっと聞きたい。
と思って頂けたならぜひ野口までお声がけください!