住宅
2024/11/26

風の通り道をつくる

このブログを書いた人
八木大志(住宅ライフスタイル事業部)

 

風の通り道をつくる

 

 

リノベーション工事の解体前に、マンションの下見にうかがったとき、

かなりの割合で感じることがあります。

玄関に入った瞬間から

 

「空気が止まっている…」

 

「窓からの眺望は良いのに 季節感が伝わってこない…」

 

これまでの一般的なマンションだと

玄関から居間や食堂にたどりつくまでは廊下が真っ直ぐつながっていて、

しっかり閉じることの出来る部屋がそれぞれ配置されています。

 

廊下の途中にトイレや浴室が設定されていました。

特に昭和のころでは、個室の数も必要だったので より独立性が求められていました。

 

時を経て、住まわれる人数、家族構成も変わり、

収納の方法も 部屋ごとにあった「押入」だったものが、

場所場所に応じたクロゼットや可動棚へと、仕舞い方・使い方の方法が

変化してきました。

 

そこで、リノベーションをおこなうのを機に、

間取りを大きく見直すことで これまであまり感じられなかった、

季節の良い時期には窓を開けて自然の風を感じられる間取りにしてはどうでしょうか。

 

南北、東西をつなぐ「風の通り道」をつくることで、

風通しの良い間取りへと変化させています。

 

玄関からつながる廊下とは別の通路をつくることで、

回れる動線が 部屋に風も引き込んでくれます。

 

建具をつくって、通り抜ける風の量を調整したりすることも可能です。

小さな引き戸、押し出し窓、ガラスを使うことで閉めたときにも光を導くことができます。

 

 

 

 

これまで、押入の収納量はとても魅力的でしたが、

やはり空気はその中にとどめてしまうことが多かったはずです。

 

 

ウォークスルー型のクロゼットにすることや、建具にルーバーがついたものであると、ここにも「風の通り道」ができています。

 

 

 

そして最後に、その通り抜ける風を「見える化」することもできます。

部屋の間仕切り壁の代わりに、オーガンジーレースカーテンをつかって透明感のある揺れる壁ができ上がります。

リノベーションが終わり、あの止まっていた空気が今、ゆっくりと流れていきました。

 

 

 

実際にリノベーションをしたマンションのお部屋をご覧いただけます。

詳しくはこちらもご覧ください。

カヤノマンションフルリノベーション完成見学会・販売相談会

 

このブログを書いた人
八木大志(住宅ライフスタイル事業部)

伊勢生まれ、鳥羽育ち。学生の時にワンダーフォーゲル部で京都低山と北海道から九州のあちこちの山を歩きました。離島や街ではバックパックの旅へ出かけていました。居心地の良い空間、時の変化を楽しめる暮らしの提案を目指しています。

担当業務:設計

好きなもの、こと、場所:江戸時代の名残のある街道、昭和の町並み建築見て歩き、映画のチラシ、カメラ、自転車、料理、美術展覧会巡り、イタリア、チベット